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いい男の見分け方

「いい男の見分け方ってなんだと思う?」

ウェブデザインの仕事は集中力がいるので、ちょくちょく休憩を挟むんだけど、そこで先輩にこんなことを聞かれた。

その先輩はすごく美人なのにいつもダメな男に引っかかっては「あたし男運が無くてさー。」て言ってる。

無いのは男運じゃなくて先輩の男を見る目なんだけど、その言葉は飲み込んでおいた。

うーん。しかし難しい問題だ。いい女だったら簡単に答えは出せる。目の前にいるし。

でもいい男となるとなかなか答えが出ない。先輩はもう既に自分で出した話題に興味を失ったようで、雑誌に目を落としている。僕は少しだけ打算を込めて言った。

「かわいいと思える欠陥を持ってる男が、いい男なんじゃないでしょうか。」

「なにそれ、どういう意味?」

「世の中に完璧な男なんて居ないのはもうわかってることじゃないですか。みんなどこかしらに欠陥を持ってる。大事なのはその欠陥が愛せるかどうかってことじゃないでしょうか。」

「へー、おもしろいこと言うね。」

先輩は雑誌をたたんでこっちに向き直った。目をくりくりさせて僕を覗き込む。

やばい。かわいい。僕は目をそらして話を続けた。

「後々になって欠陥がわかるから失望するんですよね。だったらあらかじめその欠陥を知って、それでも良いって思える人がいい男なんだと思うんですよ。」

「うんうん。なかなか良い線行ってるかもそれ。」

先輩は僕を上から下まで見てからいたずらっぽく笑って言う。

「例えば・・・背が小さくて?頼りない感じで?仕事でいっつもミスして?靴の先がはげてて?」

慌てて先のはげた靴を椅子の下に隠す。先輩は男を見る目がない癖に恋愛に関しては敏感だ。僕の気持ちを見透かしたように続ける。

「・・・ワイシャツがしわしわで?机の上が汚くて?すね毛が濃くて?あそこは皮がかぶってて?ケツ毛がボーボーで?」

「先輩、それってまさか・・・」

「うふふ。そういうところも可愛いって思えるかもね。意外と良い男って近くにいるもんね。」

そう言って先輩は自分の席に戻っていった。

なんと僕はその日、下半身むき出しだったのです。